ニ階の私の部屋に、滝平二郎の「きりえ」が飾ってあります。私が結婚した時、まだ大学生だっ
た弟が御祝いにとくれたものです。大きな月夜の晩に、父親に肩車された男の子が母親に手を振
り、姉とみられる女の子が真ん中で笑っているという「お月さまいくつ」という絵です。この絵を
見るたびに、父と一緒に見た北斗七星を思い出します。学校の先生だった父は、家に帰ってから畑
に「麦踏み」に出かけました。私と弟も付いていきました。まだ小さかったのですが、父の真似を
して「右、左、・・」と踏んで行きました。終わった頃は、もう夜になっていて、空には満天の星
✩✡✩✲父は立ち止り、空を見上げて「あれが北斗七星だよ!」と教えてくれました。あの星たち
が輝いていた空、父の声は、未だに心の中にあります☆