【ある光景】
1999年12月30日、毎年の恒例で私たち家族は、私の実家で行われる「餅つき」に参加してい
た。昔から伝わる大きな臼と杵でつく餅は格別に美味しくて、子供たちが小さい頃から参加し
楽しみにもしている行事でもあった。オットは病院に寄ってから来ることになっていて、この日
はもう7臼目、これで最後という時にやってきた。蒸しあがった餅米を弟が運んできたので
バラけていた皆が集まって来て、弟がつき始めた。それをオットが替わり杵を持ち上げた途端、
倒れた!その光景が今でも私の頭に焼き付いている。まるで映画のスローモーションを見ている
ように、ゆっくりと倒れ、隣にいた弟が抱きかかえてくれて、妹が救急車を呼んでくれて
私は?というと「とうとう起きてしまった・・」という思いが頭の中をグルグル回り、「救急車
が来たら、すぐ行けるように」という弟の声に「あっそうだ」と思い、でも何だかあっちに
行ったり、ウロウロしたりと、意味のない行動をしていた・・。